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COLUMN コラム

2025.12.24

健診システムの選び方│施設規模で変わる3つの階層と小規模施設の選定基準

この記事の著者

iD-Heartコラム執筆者

テクノア ブランディング戦略室

テクノアのITコーディネータ、マーケティング担当が執筆します。
専門分野: 画像診断装置やPACSなどの放射線関連機器、診療所向け電子カルテなどの医療システム構築に20年以上従事した経験を持つ。健診業務関係の経験も長く、医療機関向けの健診マーケティング支援なども行う。

電子カルテを選ぶとき、クリニックが大学病院向けのシステムを選ばないのはなぜでしょうか?
答えは単純です。施設規模によって、必要な機能が違うからです。

- 大学病院:入院管理・多職種連携・教育機能
- 中規模病院:病棟管理・オーダリング
- クリニック:外来診療・処方箋発行

健診システムも同じです。
施設規模によって、必要なシステムがまったく異なります。
ところが、健診システムを選ぶときに「施設規模」を意識しない方が多いのが現状です。その結果、以下のような失敗が起きています。

- 使わない機能が多すぎて操作が複雑
- 電子カルテとの連携がうまくいかない
- 高額な費用を払っているのに使いこなせない

本記事では、健診システムが施設規模で3つの階層に分かれる理由と、年間1万件以下の小規模施設の選定基準を、800施設への導入実績を持つテクノアが解説します。

第1章:健診システムは施設規模で3つの階層に分かれる

電子カルテと同じ構造

電子カルテが施設規模で分類されるように、健診システムも施設規模で3つの階層に分かれます。

階層

年間健診数

施設例

必要な機能

大規模

5万件以上

巡回健診専門の健診センター

配車管理・大量データ処理・複数拠点管理

中規模

1万〜5万件

病院併設の健診専門センター

人間ドック管理・高度検査連携・充実した検査メニュー

小規模

1万件以下

クリニック併設健診部門・小規模病院

電子カルテ連携・シンプルなUI・基本機能の充実

 

なぜ階層が重要なのか

電子カルテの例で考えてみましょう。
無床クリニックが大学病院向けの電子カルテを導入したらどうなるでしょうか?

- 入院管理など使わない機能で画面が煩雑
- 操作が複雑で、スタッフが使いこなせない
- 初期費用・保守費用が高額

健診システムでも同じことが起きます。
年間1,000件のクリニックが、年間5万件を処理する大規模健診センター向けのシステムを導入すると、

- 巡回健診の配車管理など、使わない機能が多すぎる
- 大量データ処理を前提とした設計で、操作が複雑
- 費用対効果が見合わない

施設規模に合わないシステムを選ぶことが、失敗の最大の原因です。

各階層の詳細

各階層の詳しい特徴と要件については、以下の記事で解説しています。

大規模・中規模・小規模で変わる! 施設規模別に考える健診システムの選び方

コラム選び方トップ

本記事では、年間1万件以下の小規模施設に焦点を絞り、具体的な選定基準を解説します。


第2章:小規模施設(年間1万件以下)の選定基準

年間1万件以下の小規模施設では、大規模施設とはまったく異なる選定基準が必要です。

なお、「年間1万件以下」は目安です。
重要なのは件数そのものではなく、貴施設の体制・運用方法・業務内容です。
たとえば、年間500件でも特定健診XMLや請求書発行が必要な施設もあれば、年間5,000件でも兼務体制でシンプルに運用している施設もあります。

以下の4つの基準を、貴施設の実態に照らし合わせて確認してください。

基準① 電子カルテとの双方向連携が最優先

小規模施設の特徴

クリニック・小規模病院の健診部門には、以下の特徴があります。

- 健診業務と外来診療を同じスタッフが兼務するケースが多い
- 健診受診者が外来患者として継続受診することが多い
- 院内の検査機器を健診でも使用することが多い

このため、電子カルテとの連携がないと、二重入力が発生します。

「連携可能」の3つのレベル

健診システムが「電子カルテと連携可能」と掲げていても、実際には3つのレベルがあります。

レベル 内容

小規模施設
での評価

①一方向 CSVを手動でエクスポート・インポート 手作業が残る
②双方向 受診者情報や検査結果が一部自動で連携 実用的
③完全統合 リアルタイムで同期 理想的

小規模施設では、最低でも「②双方向連携」が必要です。

確認すべきポイント

- 貴施設の電子カルテ(製品名)との連携実績
- 手動作業が残らないか
- 検査システム・PACSとも連携できるか

電子カルテ連携の詳細は、電子カルテ vs 健診システム:手作業増大の落とし穴をご覧ください。

【必読】電子カルテ vs 健診システム:手作業増大の落とし穴とクリニックが選ぶべきシステムの違い

電子カルテと健診システムの違いタイトル

基準② 兼務スタッフ様でも使えるシンプルなUI

小規模施設の実態

年間1万件以下、特に1,000件以下の施設では、以下のような体制が一般的です。

- 健診専任スタッフがいない(外来事務と兼務)
- IT専門スタッフがいない
- スタッフ数が5名以下

年間健診数が増えれば、スタッフ人数や端末数も増えます。
しかし、運用がシンプルであれば、同じ操作性のシステムで対応できます。

カスタマイズ型システムの導入負荷

大規模施設向けのカスタマイズ型システムでは、導入時に以下のプロセスが発生します。

- 事務部門スタッフとベンダーの長期にわたる打ち合わせ
- 施設独自の運用に合わせた設定・開発
- 独自仕様に対応したマニュアルの作成

このため、稼働までの期間が長く、導入後も施設独自の使い方を習得する必要があります。
小規模施設で限られたスタッフ様がこのプロセスに対応するのは、現実的ではありません。

小規模施設に適したシステムの特徴

- 標準化された操作で、短期間で現場稼働できる
- 共通のマニュアルで対応でき、習得が容易
- 使わない機能で画面が煩雑にならない

重要なのは、実機デモで現場スタッフ様も操作し、選択することです。

基準③:基本業務はパッケージ型で対応できる

パッケージ型とカスタマイズ型の違い

項目 パッケージ型 カスタマイズ型

初期費用

抑えられる 高額
導入期間 短い(2ヶ月〜) 長い
(1年以上の場合も)
法改正対応 標準対応 都度開発費用がかかる
保守 シンプル(標準) 複雑(担当者ベース)

小規模施設の基本業務

小規模施設の健診業務は、施設ごとに大きな違いがありません。

- 契約管理
- 受付・問診
- 検査結果管理
- 判定・報告書作成
- 請求処理

これらの基本機能が揃っていれば、標準的なパッケージ型で対応できます。
年間500件でも5,000件でも、運用がシンプルであれば、パッケージ型で十分です。
件数が増えて端末が増えても、同じ操作で対応できるシステムが理想的です。

カスタマイズが必要になる場合

ただし、以下のような場合は、カスタマイズを検討する必要があります。

- 施設独自の運用ルールへの厳密な対応が必須
- 既存システムとの複雑な連携が必要

この場合、大・中規模向けシステムと同等の開発対応が必要となり、相応の予算を確保する必要があります。

帳票レイアウトのカスタマイズについて

特殊な帳票レイアウトや独自の判定ロジックが必要な場合も、カスタマイズが選択肢になります。

ただし、帳票設計ツールを搭載したパッケージ型システムもあります。
システム本体をカスタマイズすることなく、帳票レイアウトのみをユーザー側でも調整できるケースがあります。

帳票レイアウトの変更が必要な場合は、まずシステムベンダーに「帳票設計ツールで対応可能か」を確認することをお勧めします。

カスタマイズのリスク

システム本体のカスタマイズを行う場合は、以下のリスクがあります。

- 法改正時に、カスタマイズ部分の改修費用が別途発生
- 施設独自仕様のため、マニュアルやサポートのメンテナンスコストが上昇
- カスタマイズを担当したベンダーの担当者が退職すると、引き継ぎが困難

本当にシステム本体のカスタマイズが必要か、標準機能や帳票設計ツールで代替できないかを十分に検討することが重要です。

基準④ 運用の安定性を支える充実したサポート体制

サポート

確認すべきポイント

①サポート窓口

- 開発元の常設サポートセンターがあるか:直接対応で迅速
- 販売代理店経由:開発元への確認が必要で時間がかかる

②法改正・制度改定対応

健診業務では、毎年のように制度改正があります。

- 特定健診・特定保健指導の制度改正
- 労働安全衛生法の改正
- 電子交付の制度変更
- データ取りまとめ機関の仕様変更

カスタマイズ内容が法改正に関わる場合には、高額な費用が発生することもあります。
事前に確認しておきましょう。

③問い合わせ対応時間

- 営業時間内の即日対応
- メールのみで返答に数日
- 別途有償サポート契約が必要

常設のサポートセンターがあることで、スタッフ様は安心して業務にあたれます。

セキュリティについて

医療機関にとってセキュリティは重要な課題ですが、対策は各施設の状況によって異なります。
オンプレミス型でもクラウド型でも、セキュリティは貴施設の運用で管理します。

システム選定時には、以下を確認してください:

確認すべきポイント

- システムベンダーにセキュリティに関する知識を持つ担当者がいるか
  (例:ネットワークスペシャリスト、情報セキュリティ資格保持者など)
- 貴施設のセキュリティ方針に応じた設定や運用のアドバイスを提供できるか
- 他の医療機関でのセキュリティ運用事例を共有してもらえるか

セキュリティに関する知識があるベンダーであれば、貴施設の状況に応じた相談がしやすくなります

第3章:小規模施設に選ばれるiD-Heart

テクノアの「iD-Heart」は、年間1万件以下の小規模施設に特化した健診システムです。

①年間1万件以下に最適化されたパッケージ型

小規模施設に必要な機能だけを搭載

- 巡回健診の配車管理機能は搭載していません(小規模施設に不要)
- 電子カルテ連携と使いやすさを重視
- シンプルな画面設計

パッケージ型のメリット:
- 定価180万円〜(最低構成)
- 標準化された業務フローですぐに稼働
- 法改正・制度改正に安価に対応

②30種類以上の電子カルテや医療システムとの連携実績

電子カルテとの双方向連携実績

iD-Heartは、30種類以上の電子カルテや医療システムとの連携実績があります。

連携内容:

- 受診者の基本情報を電子カルテやレセコンから自動取り込み
- 健診結果を電子カルテなどから参照可能
- 検体検査依頼や結果(検査センターデータ含む)・PACSとの連携
- 健診結果データ出力など

貴施設でご利用中の電子カルテとの連携実績については、お問い合わせください。

③兼務スタッフ様でも使える

実際の導入事例

加藤内科胃腸科様では、

- 年間約3,000件、2ライセンス、健診業務メインスタッフ様2名+繁忙期増員の小規模体制
- 「なんとなく触っているうちに使えるようになった」
- 「進捗管理で表示されている順番に作業すれば、業務が進んでいく」
- 「操作がわかりやすいと好評」

100年続く名古屋のクリニックが健診システム導入で業務効率化を実現!~加藤内科胃腸科様、総合健診支援システム『iD-Heart』で受診者中心の健診サービスへ~katocl_758_01

④開発元テクノアの常設サポートセンター

20年・800施設の実績:

- 1999年から小規模施設向けの健診システムを提供
- 開発元が直接サポート
- 営業時間内の迅速対応

セキュリティ対応:

- プライバシーマーク取得
- ネットワークスペシャリスト在籍
- 貴施設のセキュリティポリシーに柔軟に対応

サポート体制の詳細は、こちらをご覧ください。

iD-Heart 導入支援&保守サポートサービス

価格:

- 180万円~(設置費、教育費、保守料金は別途)
- 無料デモ実施中

まとめ

健診システムは、電子カルテと同じように、施設規模で3つの階層に分かれます。

- 大規模施設向け(年間5万件以上)
- 中規模施設向け(年間1〜5万件)
- 小規模施設向け(年間1万件以下) ← iD-Heart

小規模施設には、小規模に最適化されたシステムを選ぶことが重要です。

小規模施設の4つの選定基準:

1. 電子カルテとの双方向連携
2. 兼務スタッフ様でも使えるシンプルなUI
3. パッケージ型
4. 導入後も放置されないサポート体制

iD-Heartは、これらの基準をすべて満たし、800施設・25年の実績で小規模施設に選ばれ続けています。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 年間500件でも健診システムは導入できますか?

A. はい、導入いただけます。
年間500件でも、特定健診XMLの発行、請求書発行、契約管理、二次検査管理などの業務が発生します。
手作業ではミスや二重入力のリスクがあります。
iD-Heartは、年間500件程度の施設でも導入実績があります。


Q2. 将来的に健診数が増えたら、システムを変更する必要がありますか?

A. たとえば、巡回健診事業を始められるのであれば、大規模施設向けのシステムをおすすめします。
年間500件から1万件くらいまでの増加であれば、iD-Heartはそのままご利用いただけます。
スタッフ数に応じた端末の追加や、効率化のための機能提案もいたします。


Q3. 電子カルテとの連携は推奨されますか?

A. 小規模施設では受診者属性や健診結果参照などの連携を推奨しています。
クリニック・小規模病院の多くでは、スタッフ様が健診業務と外来診療を兼務するため、電子カルテ連携で効率化を図れます。

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