健診事務を対象とした研修・認定制度は、2つの専門学会が運営しています。どちらが優れているかという話ではありません。実務の土台を固めたいのか、経験を体系的に確認したいのか。学びたいことに合わせて選んでいただけます。
|
項目 |
① 健診事務職育成事業 |
② 総合健診業務管理士 |
|---|---|---|
|
運営 |
公益社団法人 日本人間ドック・予防医療学会 |
一般社団法人 日本総合健診医学会 |
|
形式 |
録画配信(オンデマンド)+eラーニング |
年1回の認定試験(会場受験) |
|
内容 |
基礎編:心構え/制度と法律/医学知識/接遇/医療安全/個人情報(6コンテンツ・約130分) |
実務と知識を問う50問の筆記試験(90分) |
|
前提 |
学会の会員であること(経験年数の制限はなし) |
学会の会員であること。 |
|
得られるもの |
修了証 |
認定登録(5年間有効) |
|
向いている方 |
配属や異動で健診を担当し始めた方 |
数年の経験があり、担当範囲を広げたい方 |
① 健診事務職育成事業は、日本人間ドック・予防医療学会が健診機関からの要望を受けて立ち上げた育成事業です。2023年度に基礎編、2024年度に発展編の配信が始まりました。1コンテンツは基礎編で約15〜30分と、業務の合間にも取り組みやすい長さです。グループワーク形式のスキルアップ研修も現地開催されています。受講対象は「健診の事務業務について学びたい方」で、担当し始めたばかりの方でも受講できます。
② 総合健診業務管理士は、日本総合健診医学会が認定する、総合健診の実務と知識を問う認定資格です。注目したいのは、受験条件に医療系国家資格の保有が含まれていない点です。同じ学会の「総合健診指導士」は看護師・保健師などの資格保有を条件の一つに定めていますが、業務管理士にその定めはありません。日々の業務で培ってきた経験が、そのまま受験資格につながる制度です。
ご自身または所属施設様の会員状況と、受講料や日程などの詳細は、各学会のページでご確認ください。
担当業務が企業対応やシステム連携、データ管理へと広がると、次のような資格も選択肢に入ります。
|
資格名 |
主催・種別 |
健診業務での活かし方 |
|---|---|---|
|
労働安全衛生法に基づく免許 |
常時50人以上の労働者を使用する事業場では、衛生管理者の選任が義務づけられています。企業のご担当者様と同じ言葉で、定期健診の実施義務や報告のルールをお話しできます |
|
|
日本医療情報学会の認定資格 |
健診システムと電子カルテのデータ連携や、検査データの取り込みを理解できます |
|
|
四病院団体協議会・医療研修推進財団の共同認定 |
検査データが集計・分析され、活用されるまでの流れを理解できます |
受験資格は資格ごとに異なります。第一種衛生管理者は学歴と労働衛生の実務経験、診療情報管理士は通信教育などの修了が前提で、医療情報技師に制限はありません。
なお、「健診情報管理指導士」の名で紹介されることのある人間ドック健診情報管理指導士(通称:人間ドックアドバイザー)は、特定保健指導を行う人材を養成する制度です。認定対象者は医師・保健師・管理栄養士、修了対象者は看護師・健康運動指導士など、特定の医療・保健系資格が必要です。特定保健指導に取り組む際、どなたに受講いただくかの検討材料になります。
接遇は基礎編で最も長いコンテンツで、発展編にも「接遇Ⅱ」が置かれています。基礎編の「接遇」が約30分、発展編の「接遇Ⅱ」が約45分。この時間配分は、健診の現場をよく映しています。
健診にお越しになる方の多くは、治療ではなく健康の確認が目的です。院内の勝手がわからないまま検査を受けられる方も少なくありません。案内の仕方や声のかけ方が、その日の印象を左右します。医療事務講習で学ぶ接遇から、もう一歩進んだホスピタリティ。ホテルのコンシェルジュに近い姿勢が求められる場面もあります。
受診者お一人おひとりへの丁寧な接遇を最優先されている
検査項目の意味や制度の仕組みを知っておくと、受診者様からのご質問にその場でお答えできます。基礎編には医学知識が約25分、制度・関わる法律が約20分。日々の案内の裏づけになる部分です。
健診事務のお仕事は、一見するとデータの入力や窓口業務のように見えます。けれどその背景には、予防医学の知識、関係する法令、情報管理の設計が広がっています。学びの入口が用意されているのも、そのためです。
学会の研修や認定制度は、それぞれの会員であることが要件になります。所属施設様の管理者の方にお尋ねください。制度内容・受講料・日程は見直しもありますので、詳細は各機関の公式ページでご確認ください。
日々の運用面では、テクノアも並走します。健診センター勤務の経験者が不在の状態から健診サービスを立ち上げられた施設様の事例も公開していますので、導入事例もあわせてご覧ください。
📗 資料のご案内
『小規模医療機関様のための健診業務ハンドブック』(無料)
健診の受入準備から当日の対応、結果のお渡し、団体健診への対応までの流れを1冊にまとめた入門資料です。担当になったばかりの方への引き継ぎ資料としてもお使いいただけます。
【参考URL】
日本人間ドック・予防医療学会
健診事務職育成事業について
https://www.ningen-dock.jp/kensinjimu/
日本総合健診医学会
総合健診業務管理士について
https://jhep.jp/jhep/sikaku/skgk01.jsp
関連資格
第一種・第二種衛生管理者の紹介(安全衛生技術試験協会)
https://www.exam.or.jp/introduction/h_shokai502/
医療情報技師能力検定試験(医療情報技師育成部会)
https://www.hcit.or.jp/standard/about/
診療情報管理士通信教育(日本病院会)
https://jha-e.jp/